にっこりROOMに入ります

 「NPO法人にしよど にこネット」は、西淀川区にある10の子育サークルが集まったネットワークですが、集まった力により10の事業を手がけるNPO法人です。そんな事業の一つ、大和田にある「にっこりROOM」で、副代表の福田留美さんにお話を伺いました。
  にっこりROOMは、NPO法人の拠点であると同時に「大阪市つどいの広場」という委託事業の場でもあり、広さ30畳ほどの部屋には知育おもちゃや絵本などがいっぱい。誰でも無料で利用できる施設で、子育て相談などにも応じているとのこと。近くの福町では、大阪市営住宅の空室を利用した「にっこりROOMふくまち」も運営しています。近辺の乳幼児を中心とした親子の利用が多く、西淀川に引っ越したばかりでこの辺りのことが分からない、初めての子育てで不安というママたちの力強い味方になっています。中には、遠くから来ている親子もいるそうです。

にっこりROOMに入りました

■にっこりROOM以外の事業■
1.にしよど冒険あそび場
子供の外遊びを重視し、区内の公園を月1回巡回して外遊びを実施。
2.みんな集まれ!ファミリーひろば
地域サークルや生涯学習サークルの活動成果などを区民ホールで紹介。乳幼児のママたちにも入ってもらうきっかけに。
3.いのちの授業
妊婦と小学校の授業に行き、お腹を触らせてあげながら妊娠期や出産のことを話す。この事業では、若い男性教師が感動し、「今日、母親に電話してありがとうと言おうと思う」と言うと、児童たちが立ち上がって拍手をするという“ドラマ”もあった。
4.世代間子育て支援・交流
子育てをきっかけに、世代を越えてずっとつながっていこうという集い。シニア世代にも入ってもらい、キャンプなども実施。
5.CSP(コモンセンス・ペアレンティング・プログラム)というアメリカで出来た手法を使っての講座
世界で一番効果的なしつけ講座。子供に一番してほしいことを子供にちゃんと伝える練習を親にしてもらう。
6.編集や広報のプロジェクト
「西淀川すくすく子育てマップ」の制作、機関誌「WAO!」の発行、「COO」の発行(西淀川区からの委託事業)。
7.サークルサポート事業
各子育てサークルのリーダーに月に1度集まってもらい、支援。
8.ひろば事業
子育てサークルへの参加が苦手な人のために、スタッフが少しお世話をしつつ体験から始めてもらう。
9.来に向けたプロジェクト
子育て中のママたちが、美容院や歯科、映画鑑賞など、ちょっとした外出の際に子供を預けられる事業。

この日が初めて利用という双子のママ

 この日、実際に利用しているお母さんたちにもお話を伺いました。姫島から来ているお母さん。にっこりROOMのいい点は、子供が遊び回れることだという。ここへ来ると、わが子はすぐに友だちのや他のお母さんのところへ飛んでいくそうです。また、できなかったことができるようになったという、うれしい体験もあるとのことで、通い始めたころには歩けなかったのに、他の子供たちが歩いているのを見て急に歩き出したときには感動したそうです。
 すぐ近くの出来島から来ている双子のお母さんは、今日が初利用日。折り込みのチラシを見て来たそうす。まだ子供が小さいので他の子供たちと遊ぶことは難しものの、他のお母さんたちにいろいろ話が聞け、子育ての参考になりそうとのこと。これからもここでいろんな人と出会って交流してきたいということでした。

遊び道具もいっぱい

 福町から自転車で来ているお母さんは、昨年暮れぐらいから通う“ベテラン”利用者。子供さんは1才7ヶ月。ここでは年の違う子供たちと遊ぶので、知らない間に言葉やしぐさなどを覚えて帰るという。また、お母さん自身も、地元でない福町のことが全然分からず、ここへ通うようになってから世界が一気に広がったとのこと。それまではあまり外出をしなかったのに、スタッフの皆さんが子育ての悩みを聞いてくれ、アドバイスをしてくれるのはもちろん、いろいろな情報を教えてくれるので大変に助かっているそうです。
 最近でこそ子供が大きくなってきて公園などにも行くようになったそうですが、それまではほとんど毎日、にっこりROOMに通っていたそうで、これからも幼稚園に行くまではずっと利用し続けたいとのこと。にこネットの他の事業にも参加したり、ママ友もできて交流したりしているようです。