平松市長がスターターピストルを鳴らす
八幡屋商店街の“ドーム”

 11月21日(日)に開催される「大阪ごちそうマラソン」は、大阪市商店会総連盟と大阪市が一緒に行う「大阪あきない祭り2010」の一つとして行われるイベント。 「大阪あきない祭り2010実行委員会」の角正基実行委員長(ヤハタヤカメラ社長)に、港区の八幡屋商店街でお話を伺いました。
 港区、此花区、西区を通るコースは全長24キロ。ここで繰りひろげられるのは、タイムを競うものではなく、赤信号では止まり、商店街では歩くというユニークなマラソンです。基本コンセプトは 「目に、おなかに、心にもごちそう」。目にごちそうとは、日本一低い天保山に登り、安治川を渡し船で越え、坂本龍馬ゆかりの土佐稲荷神社などの名所が楽しめる点。信号待ちの時間に短く名所解説をするボランティアガイドが立つポイントもあるそうです。「おなかにごちそう」とは、コースに含まれる四つの商店街がそれぞれに自慢の味をランナーに提供するという意味。さらに、「心にもごちそう」として、スタート地点やコース途中で、合唱や演奏、踊りなど、地域の人々が心のこもった歓迎と応援を展開します。

八幡屋商店街

 コースは、八幡屋商店街(港区)→中央体育館→築港地区→大阪港ダイアモンドポイント→天保山登山→渡し船→ユニバーサルシティ(此花区)→春日出商店街→安治川トンネル→九条商店街(西区)→土佐稲荷神社→京セラドーム大阪→繁栄商店街韋駄天尊(港区)→オーク200→港通り→池島公園→近隣センター(八幡屋商店街近く)でゴール→入船温泉で入浴。
 参加費は2300円で、参加者にはTシャツが配られるのですが、ユニークなのはゼッケンの一部に一言メッセージが入れられる点。自分の年齢や「お先にどうぞ」など、ランナーが好きな言葉を書いて他のランナーや応援の人たちとコミュニケーションを取りながら走ることができる工夫がなされています。
 年齢など参加者への制限はなく、定員300人は先着受付。希望者は、インターネットのサイト「スポーツエントリー」から申し込めます。なお、運営を手伝ってくれるボランティアも100名程度募集中です。

キララ商店街

 次に訪れたのは、西区のキララ商店街。ここで大阪市西区商店会連盟の松田啓治会長(仕出し料理「栗山」社長)にお話を伺いました。地下鉄九条駅をはさんで南側のナインモール商店街とあわせた約1キロが今回のコース。松田さんによると、キララ商店街は、毎日の生活に欠かせない物を買っていただく近隣型商店街であり、町の人々に市場のような感覚で使ってもらっているアーケード街なのだそうです。
 そんな松田さんは、大阪ごちそうマラソンというアイデアを絶賛。西区や此花区にも手伝ってほしいとの依頼に大張り切りで、3分の1を全力で引き受ける覚悟で臨んでいるそうです。参加が「こんな商店街あったんか、ええ商店街やん、親切やった」という具合に、「ええやん」という印象を残してもらえるようにしたいとのこと。提供するごちそうは、飲み物、たこ焼き、一口寿司、果物など、お腹にもたれないものを用意しており、全品を一カ所に並べるか、商店街内にいくつもポイントを作って1品ずつ置くかは、今、検討中とのことです。

繁栄商店街の韋駄天尊は
せんとくんの藪内佐斗司氏デザイン

 最後は、ラジオ大阪の地元、港区の繁栄商店街を訪ねました。お話を伺ったのは、大阪港区小売商業協同組合の近藤洋史専務理事(ふとん館平野屋経営)。近藤さんは、この商店街を舞台にしたスポーツイベント「韋駄天商店街」「筋肉商店街」を手がけている人としても知られています。
  今回、まず目についたのは、繁栄商店街を国道43号から入って右側にある「繁栄韋駄天尊会所(はんえい・いだてんそん・かいしょ)」 。中には築港高野山で入魂された韋駄天尊が祭られていて、片足を出しています。地域の皆さんの健康と安全を念頭に置きながら、市岡の「お宝」として、最近、設置されたものだそうです。韋駄天は足の早い人のたとえにも使われるため、今回の参加ランナーには、ここで足に触ってもらうことで、レース3分の2を終えて疲れた足腰の癒しに少しでもなればと考えているそうです。
  繁栄商店街には小山お好み焼き店など、有名店もあります。ランナーには、お好み焼き、漬け物、果物、豆腐、うどんなどの「おなかにごちそう」を一口サイズで提供し、対面販売を行う商店街ならではのおもてなしで「心にもごちそう」ぶりを味わっていただきたいとのことです。