昨年の帝塚山まつり・盆踊り風景
写真提供:帝塚山まつり実行委員会

 8月28日(土)と29日(日)、阿倍野区帝塚山1丁目で「帝塚山まつり」が開催されます。今回はこの詳細について、「帝塚山まつり実行委員会」事務局長の氏田耕吉さんに伺いました。
 会場となるのは、 南海高野線跨線橋(西)〜姫松交差点(東)の南港通り北側歩道上、約500メートル。そのほぼ中央にある帝塚山病院駐車場(氏田さん経営のウジタオートサロン隣)には、ステージが組まれます。 まつりは、28日午後2時、阿倍野神社から子供だんじりをお借りし、お祓いの後に町内を曳行することからスタート。子供だんじりが午後5時ごろにステージ前へと到着すると、オープニングセレモニーや幼児によるステージ上での演技が行われ、6時から9時まで盆踊りで盛り上がります。
  一方、南港通りにはたくさんの出店が並びますが、すべて地元の方々がボランティアでしているもので、驚くような安い値段で遊楽しむことができるそうです。飲食物を販売する模擬店、射的や輪投げなどの子供ゲームほか、地元商店が格安に販売したり、家庭の不要品を並べたりする、フリーマーケットも出てにぎわいます。

TEZ YANの審査発表(昨年)
写真提供:帝塚山まつり実行委員会

 2日目のスタートは午前10時。ステージでは、子供たちの演技や帝塚山青年団によるだんじり太鼓などがあるほか、毎年お楽しみの「帝塚山ヤングオーディション“TEZ YAN歌合戦”」が行われます。また、今年はこの日の朝から「せんとくん」も来てくれるそうです。もちろん、出店やフリーマーケットもオープン。
 さらに、24年前から大人気の「子共富くじ」の抽選会が行われます。これは、子供たち自身に好きな数字を書いて富札くじを作ってもらい、それを使って抽選をするものです。今年も、サッカーソフト付プレステ3やWii、自転車やおもちゃ、老舗レストラン「手帝塚山ボネール」の1万円分ディナー券(5本)など、豪華賞品が揃っています。ほとんど空くじなしとなる予定だとのこと。参加できるのは中学生以下で、整理券を持っている人に限ります。整理券は28日の午後6時〜と29日午前9時30分〜、帝塚山ポアール本店前駐車場で各200枚ずつ配布されます。もちろん、地元の方でなくても参加OKです。

会場となる南港通り北側歩道

 この帝塚山まつり、毎年春に行われている「帝塚山音楽祭(2007年4月21日の放送で紹介)」、そして秋に開催の「帝塚山カップゴルフ選手権大会」とは、いわば兄弟イベント。氏田さんら3人が1984年につくった「帝塚山街づくり交流会」がベースとなって行われています。帝塚山まつり誕生のきっかけとなったのは、1987年に輸入車販売を手がけるウジタオートサロンが開催した「おーきに祭」。展示車両を一時的に他に持って行き、お客さんにフリーマーケットを出してもらい、子供たちを対象にした抽選会を行うという感謝祭でした。氏田さんは、帝塚山という土地柄、こういうことにはクールなのであまり期待はしていなかったそうですが、ふたを開ければ予想外の大盛況。結局、3年目からは、一企業の感謝祭としてではなく、地元の皆さんが実行委員会を結成して運営する町のイベントへと成長し、メイン会場も帝塚山病院の駐車場へと移動しました。

まつり会場からも近い万代池公園

 今、2日間に集まるお客さんは約6000人。関わる人たちみんなが、この町のことを考えてやっている点が一番の魅力という氏田さん。帝塚山まつりが子供たちに喜んでもらえるようにと意識している理由も、そのあたりにあるようです。
 ここに遊びに来た子供たちは、どうして自分たちがこんな面白く遊べるのか、大人たちはどうしてこんなことをしているのか、そんな疑問を持つそうです。それを持ったまま大人になった時、彼らは「子供たちのことや町のことを考えて、大人たちはしてたんだ」と気付いてくれ、自分たちもやろうと思ってくれる。それがいい方向での継承につながってくれればと、氏田さんは期待しているそうです。
 帝塚山まつり20周年記念行事をロイヤルホスト貸し切りで行った際、最低100人は集まってくれないとと心配していたところ、あふれるほどの皆さんが集まってくれたとのこと。みんなこの町が好きだから来た、自分たちでなんとかしなければいけない、との熱い思いを語ってくれたそうです。

帝塚山には魅力的な店や街並がいっぱい
 

 お話を伺った後、氏田さんと少し帝塚山の散策をしました。 連れてきていただいたのは万代池公園。春には帝塚山音楽祭のメイン会場となる場所でもあります。1周750メートルの池を中心に、朝から晩まで地域の皆さんのくつろぎの場となっているそうですが、地元で生まれ育った氏田さんにすれば、ここに立つだけで、あの時にここでこんなことをした、あんなことをした、というこれまでの人生がよみがえってくる場所でもあるそうです。ぜひ、帝塚山まつりにお越しの節は、ここまで足を延ばしてほしいとのこと。
 まつり会場からここまでは、邸宅街を抜けてくるのもいいが、チンチン電車の道を散策しながら来るのもお薦めとのこと。一つ1000円の絶品アイスクリームが大人気の「帝塚山ポアール」、老舗の和菓子店「福寿堂秀信」、蔵を改造したカフェの「Point」、帝塚山で一番古いパン屋さんの「カタオカベーカリー」、ラサール石井さんの兄(氏田さんとは同級生)が経営する「めん処いし井」など、有名店もいっぱい。なお、板東英二さんは「和風ビビン麺」がいし井のお勧めとのことですが、氏田さんは「うなとろのソバ」が一番だそうです。