堀登志子さん  高野隆宏さん

 関西大学在学中に落研「落語大学」に所属していた堀登志子さんは、大学卒業後、上場企業に“四半世紀”勤めて独立。2006年に落語大学時代の同級生の葬儀で落語大学の先輩・ 矢野宗宏さんと出会い、2007年に笑いをビジネスに生かす「笑いプロジェクト」を設立して代表に就きました。そして、高野隆宏さんも設立まもない時期に参加しました。
 笑いプロジェクトは、 笑顔や笑いがあればビジネスや人付き合いがうまくいくということを知ってもらうため、ユーモアコンサルタントを派遣して講演などをしたり、セミナーのプログラムを組んだりする仕事をしていますが、これはあくまでビジネス。堀さんや高野さんは、その一方でボランティア的な活動をする「落語好きの素人連」という緩い集まりにも参加しています。それを始めたきっかけは、「たまたま」が重なった結果だと、堀さん。
 笑いプロジェクト設立の際、堀さんは恩師で日本笑い学会会長の井上宏関西大学名誉教授を招きましたが、そこに井上さんがゼミ一期生の教え子を連れて行き、堀さんに紹介。その人は池田市職員だったのですが、たまたま池田市が落語で町おこしをしようとしていた時期で、その担当部署が「落語をよく知っていて身の軽い人」を探しているのを知り、堀さんを紹介。堀さんはそれに関わる中で、月に1度の落語会の開催を計画し、落語大学OBに出てもらうことにして、落語好きの素人連を結成しました。

はてなの茶碗ドリッパーは?型の取っ手付き

 「落語のまち池田」の一環として行われている活動の一つが、「おたなKAIWAI」という商店による活動。「おたな」とは「お店」のことで、例えば落語一店一席運動が行われています。これは、参加店がそれぞれ落語一席を持ち、それにちなんだ商品を開発して販売するというもの。コーヒー豆店が「はてなの茶碗」にちなんで開発・販売している「はてなの茶碗ドリッパー」、歯科医院が「手水(ちょうず)まわし」にちなんで開発・販売している「手水歯ブラシ」、菓子店が「狸賽(たぬさい)」にちなんで製造・販売している「たぁ〜ちゃん饅頭」など、50以上の商品が既にお目見えしています。
 そんな「おたなKAIWAI」では、月に一度、サカエマチ商店街にあるエコミュージアムで「引札寄席」を開催。そこに出ているのが、関大落語大学OBを中心とした「落語好きの素人連」というわけです。堀さんは落語ではなく、プロデュースや司会で参加。高野さんは表現舎乱坊(ひょうげんしゃらんぼう)の芸名で落語をしているそうです。


引札寄席の大喜利 中央に高野さん
写真提供:落語好きの素人連

 

 高野さんも、大学卒業後に上場会社に就職。しかし、落語が忘れられず、老人会などの催しがあると出向いて一席演じる暮らしをしていたそうです。ただ、仕事のストレスを飲食で発散させていたため、現在より30キロ多い95キロまで太り、最終的には大腸ガンを患うことに。仕事を辞めて治療したのですが、不動産会社勤務時代に知り合った日本肥満予防健康協会の理事長に言われて講座を受け、ダイエットを断行。しかも、勉強を重ねて肥満予防健康管理士という民間資格を得るまでに。それを武器に、笑いプロジェクトでは「ダイエットカウンセリング」も行っています。例えば、落語をする前に健康な食生活について少し話をする。これが特に女性には好評とのことです。
 そんな話をしている中、お客様として来ていた大阪市内の社会福祉協議会の方と知り合い、ボランティアで福祉的な活動を始めることに。西成区、浪速区、東住吉区、西区で「高齢者閉じこもり予防通所事業」に協力。落語と食生活改善の話をしているそうです。高野さんとしては聞いていただくだけでもうれしいのに、聞いてくれたお年寄りに「来てくれてありがとう」と手を合わせて感謝されることがあり、大変うれしく感じるそうです。なお、放送日の5月9日にも、旭区の千林商店街で在宅支援110番寄席に出演しました。

関西大学心斎橋オフィス

 落語好きの素人連が出演する今後の予定

▼「引札寄席」
6月13日(日)、池田のサカエマチ商店街にあるエコミュージアムで開催

▼「訥庵(とっつあん)寄席
6月19日(土)、大阪市中央区にある「関西大学心斎橋オフィス」で開催