森川さん、田中さん、奥さん、山本さん、藤原

 アースデー(4/22)イベントとして開催される「ロハスサイクル・エコライブ2010。今年は4月25日(土)、会場を昨年までの扇町公園から旧北天満小学校芝生広場に移しての開催となりますが、そこには、主催者であるミュージシャン山本公成さんとNPO、そして地元の方の素敵な出会いがありました。
 ロハスサイクル・エコライブは、自転車による発電だけですべての電力をまかなって行われるライブ。今年は1台あたり30ワットの発電能力のある自転車10台が持ち込まれますが、エレキギターをジャーンと鳴らすと電力が落ちてしまうというスタート当時からの状況は、おそらく今年も同じだろうと山本さん。しかし、毎年、盛り上がるのはそこから。その瞬間に初めて会場のみんなが電力が落ちることを実感し、自転車がんばれという思いで一体感が生まれるからだそうです。
 6回目を迎える今年は、山本さん自身が二つのユニットで演奏するのをはじめ、扇町公園時代からおなじみのミュージシャンたちがたくさん登場。また、大地信仰、母体信仰を意味し、地球に感謝する踊りでもあるベリーダンスの MAYA BELLY EARTH COMPANYの皆さん、 街頭紙芝居の古橋里絵さんなど、音楽以外にもアースデーにふさわしパフォーマンスが楽しめます。来場者も、回を重ねるごとに国際色が豊かに。そんな中、山本さんにとって今年の新たな出会いの一つが、この芝生広場とそれに関わっている皆さんだったようです。

1年を通じて緑のままだとのこと

 山本さんに芝生広場の存在を教えたのは、この地域で活動を続ける田中ゆたかさん。音楽好きのため、様々な音楽イベントに関わるうち山本さんと出会い、親しい間柄となりました。しかし、たまたま姉と山本さんの子息が結婚をしたため、今では山本さんを「おやじと呼ばなければいけなくなった(笑)」という関係に。
 今年は、田中さんが出会ったS級のプロ競輪選手も数人参加してくれることになり、発電だけでなく、近年、問題となっている自転車の交通マナーに関する啓発もお願いするそうです。
 また、4年前からロハスサイクル・エコライブ実行委員会のメンバーでもある田中さんは、今回、司会進行役も買ってでました。バンドとバンドとの間に、ここの芝生化に努力した地元の皆さんに上がっていただき、話をしていただく時間もつくろうかと考えているそうです。


みんなで掘って造ったビオトープ

 

 この場所の緑化に技術面で協力したのは、NPO法人ITステーション「市民と建設」近畿支部長で芝生クラブ代表の森川勝仁さん。NPO法人のオフィスが近くにあり、地元の人から2006年に廃校になった北天満小学校跡に雑草が生えて困っていると聞き、せっかくのスペースを利用しないのももったいないとの思いから、芝生化を提案。地元の人々が半信半疑で聞く中、日頃から校庭の芝生化に技術協力しているノウハウを生かし、たった2ヶ月、しかも破格の費用で緑の空間へと変えました。
 これは西洋芝のティフトンの苗を育て、それを田植えのように植えることで成長させるという方法。地元の皆さんに手伝ってもらい、人件費をかけずに作業することができたため、造園業者に頼めば数百万円はかかるところ、初年度にかかった費用はわずか10万円。森川さんは、地域の人たち自らが造り上げたことに意味があるといいます。自分たちで造ったという思いがあると、それだけここに愛着がわくことになるためです。
 また、緑化だけでなく、一部にビオトープも造りました。こちらもみんなで力をあわせて池を掘り、淀川tの土をもらってきて入れ、メダカももらってきて放流したとのこと。今でもしっかりと代替わりをしたメダカたちが泳いでいます。  

メダカが泳いでいました

 今では地域の中核空間によみがえった旧北天満小学校跡。よみがえりの出発点は、跡地利用委員会による点検にありました。この小学校の卒業生で 北天満青少年指導員連絡協議会・会長の奥一朗さんは、避難所になっている廃校跡を訪れた際、これではだめだと感じたそうです。講堂に入ったとたん、ほこりっぽさ、かび臭さ、じめじめ感がたまらず、こんなところに避難できないと直感。窓を開け放ち、床を2〜3回ぞうきんがけして、やっとそれを収えたそうです。以後、北天満掃除クラブを有志と作り、月に1回のペースで掃除を始めました。
 講堂だけでなく、校庭の緑化により、 再び地域の中核になってきたここでは、サマーフェスティバル(盆踊り)、たこあげ、大根炊き、映画会、テントを張っての芝生で1泊のお泊まり会といったイベントが盛んに行えるようになり、校区外の子供たちも参加してくれるようになったとのこと。砂地だった頃と違ってほこりも舞わず、近所の皆さんにも喜んでいただいていることでしょうと奥さんは語っていました。