ホームに戻るボタン
 
このエリアの地図を見る
和歌山県の地図を見る

高野山・根本大塔 町石道に建つ42町石
高野山・根本大塔 町石道に建つ42町石

 和歌山県かつらぎ町にある天野の里には、丹生都比売(にうつうひめ)神社(天野神社)があります。立派な四社殿が並び、一軒社春日造りでは日本最大とされ、また、社殿内部にある内宮殿に御神体を安置する形式も、他に例がないといわれています。弘法大師は高野山を開く時、まずここに庵を結び、ここの神領地である高野山を分け与えられて真言密教の道場を開きました。第二殿に祭られる狩猟の神様の高野御子大神(たかのみこおおかみ)が放った2匹の犬が、弘法大師を高野山に導いたという伝承も残っています。

丹生都比売神社 慈尊院 慈尊院
丹生都比売(にゅうつひめ)神社・社殿 女人高野といわれる「慈尊院」 安産や授乳などを祈る人々がいる(慈尊院)

 九度山町にある慈尊院は、高野山の“表玄関”として創建されました。弘法大師の母親の菩提寺で、当時、高野山に入れなかった女性たちがここで安産や授乳、育児などを祈願。ここから高野山の大伽藍近くまでの約20kmが「町石道(ちょういしみち)」と呼ばれるかつての表参道です。弘法大師が木製の道しるべを置きながら開いた道で、鎌倉時代に五輪塔形の石塔が1町(約109 m)おきに建てられたため、町石道と呼ばれています。慈尊院に180 町石があり、高野山に向かって段々その数を減らしていきます。

金剛峯寺 1町石 金剛峯寺 金剛峯寺
参詣者を迎える高野山・大門 高野山の大伽藍近くにある1町石 弘法大師の御影(肖像画)が祭られている御影堂 金剛峯寺の石庭はため息が出るほど美しい

 多くの寺院がある高野山でもとくに人気があるのは、大門、少し入った霊宝館や大伽藍の一帯、その奥の高野山真言宗総本山金剛峯寺(こんごうぶじ)、そして、山道を上って行く奥の院です。大伽藍は根本大塔を中心に金堂や御影堂などがあり、奥の院と並ぶ山上の二大聖域でもあります。奥の院には弘法大師御廟があり、その拝殿でもある灯籠(とうろう)堂には、2万灯もの火が輝いています。その一つ、白河法皇自らが灯された「白河燈」の火は、千年近くも燃えつづけています。

*丹生都比売(にうつうひめ)神社、慈尊院、金剛峯寺、町石道は、いずれも世界遺産登録に推薦されています。2004年6〜7月に登録が決定される見込みです。


金剛峯寺・柳の間 奥の院・灯籠堂へ向かう道 「白河燈」
金剛峯寺・柳の間 豊臣秀吉の養子で関白を務めた秀次が幽閉され自刃をさせられた部屋 奥の院・灯籠堂へ向かう道 千年近く燃えつづけている「白河燈」

上に戻るボタン  

近畿道ものがたり取材アルバム 道でたぐる想い出の糸