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柳生街道 | 石切峠にある峠茶屋は180 年前から営業 |
「柳生街道」は奈良市東部の高畑町から柳生町までの20km弱の道。ハイカーに人気があり、車が通れるのは一部だけです。高畑町の入口を入ってしばらくは、木が生い茂り、横を流れる能登川に滝が多いため、滝坂の道と呼ばれています。 15分ほど歩くと土の道はごつごつとした石畳となり、次々に石仏が現れてきます。大きな石の裏に彫られている「寝仏」は、立ち姿で彫られた石が転がって横になった感じ。夕日が当たると神々しさが増すという「夕日観音」、その近くの「三体地蔵」と「滝坂地蔵」、10分ほど上がった所にある「朝日観音」と、磨崖仏が続きます。そして、そこからきつい坂を上ると、「首切地蔵」が道の分かれ目に立ち、街道の目印になっています。首が折れているのは、柳生十兵衛に学んだ荒木又右衛門が試し斬りした跡だとのこと。 |
横を流れる能登川は滝が多くて水がきらめく | 柳生街道は東海自然歩道でもある | 磨崖仏の夕日観音 実際は弥勒(みろく)菩薩 | 街道の目印となった首切り地蔵 柳生街道は昭和初期まで生活物資運搬の道だった |
石切峠に入ると舗装道となりますが、そこにあるのは二階建ての木造の店。古そうな看板、縁台、座敷…180年前から営業している峠茶屋です。名物は羊かん1本分ほどもある自家製のわらび餅。鴨居のところに、槍や鉄砲、神道無念流の巻物などが飾られていますが、それらは昔の侍が飲み代のかたに置いていったものとのこと。 |
峠茶屋は店内もレトロな雰囲気 | 武士が飲み代のかたに置いていった槍や鉄砲 | 柳生家の菩提寺の芳徳寺 |
終点の柳生の里に入ると、寛永15年に柳生宗矩(むねのり)が、父で柳生家中興の祖・石舟斎(せきしゅうさい)の菩提を弔うために創建し、沢庵和尚が開山した芳徳寺があります。柳生家代々の墓や資料室にある柳生十兵衛の使った杖(つえ)、新陰流の兵法目録、よろい、藩印などを見ることができます。剣豪たちの修行の場、柳生藩の正木坂(まさきざか)道場も残っています。また、芳徳寺近くの山の中には、「一刀石」があります。見事に縦に割れた巨大なこの石は、石舟斎が修行中に天狗だと思って一刀両断にしたものという逸話も残っています。 |
芳徳寺に展示されている柳生藩の印 | 正坂木坂道場は現役の剣道場・古武道場 | 巨大な一刀石 |