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「辰鼓楼(しんころう)」 出石町のそば畑
出石町のシンボル「辰鼓楼(しんころう)」 出石町のそば畑

 城下町の風情が漂う出石町の人口は1万1千人。そこに年間80〜100万人の観光客が押し寄せます。50軒ものそば店があり、それぞれが違った味を楽しませてくれます。300年前、国替えで信州上田城から仙石氏が来た際にそば職人を同行させ、信州そばが伝わりました。特徴は、とろろと鶏卵を濃いめのタレに入れてかき混ぜ、白い出石焼の皿に盛られたそばをどっぷりつけて食べること。1人前が5皿で、お皿が割りばしの長さ分積み重なるまで食べるのが通だといわれています。出石そばは他地域のそば粉を使っていますが、近年は観光用にそば畑を作り、収穫量は少ないものの実際にそばにして出しているとのことです。

出石の町 出石そば 出石城跡
古い家並みが残る出石の町 出石そばはとろろと鶏卵が付いてくる 出石城跡

 町のシンボルは辰鼓楼(しんころう)。明治4年に造られた当時は、1時間ごとに太鼓で時を告げていました。大時計が設置されたのは明治14年のことです。出石はこの周辺に見どころがいっぱい。南側の山には出石城跡、西の出石川沿いには「おりゅう灯籠(とうろう)」、東にはハイカラな明治時代の郡役所「明治館」、また、北方向には新撰組に追われた桂小五郎が荒物屋を営みながら潜居していた跡や、古めかしい酒蔵があり、さらに少し離れたところに、出石出身ともいわれる沢庵和尚が再興した宗鏡寺があります。

おりゅう灯籠 明治館 桂小五郎潜居跡
おりゅう灯籠 昔の出石川は現在の3倍以上の川幅があり30石級の大船が出入する船着場だった。夜間に来る船はこの灯ろうを目指した 明治館(出石町指定文化財)明治25年に兵庫県下に20軒の郡役所が建てられた現在は3軒しか残っていないうちの一つが明治館 桂小五郎潜居跡

 出石の特産品に出石ちりめんがあります。「但馬ちりめん」として知られているものと同じで、200年ほど前に丹後から伝わったといわれています。出石は盆地のため湿度が年間を通じて70〜80%。この気候がちりめん織りに適した条件を作りだしています。織元の「永田清織物」では、染体験や着るのが簡単な「ニュー着物」を着て出石を歩ける着物体験などを行っています。工場見学や昔の織道具の見学も可能です。

土壁の酒蔵 沢庵和尚が再興した宗鏡寺 永田清織物の展示
今でも現役で使われている土壁の酒蔵 沢庵和尚が再興した宗鏡寺 永田清織物の展示

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近畿道ものがたり取材アルバム 道でたぐる想い出の糸