薬師寺(奈良市)
薬師寺(奈良市)
タイトル

 日本書紀に、推古21(612)年11月のこととして「難波より京(みやこ)に至るまでに大道(おほち)を置く」とあります。これがシルクロードの日本の部分。大陸から難波津に上陸した人が通っていったのでしょう。
 南北は「難波大道(なにわだいどう)」という、難波宮跡あたりから松原市と堺市の境界あたりへと通っていた道。一方、東西は、丹比(たじひ)道(後の竹内街道)や大津道(後の長尾街道)などが使われました。
 長尾街道は松原市から藤井寺市などを抜け、奈良県當麻町で竹内街道と合流します。その先、橿原市にある本薬師寺跡には、1m半ほどの石が10数個、規則正しく並んでいます。薬師寺は718年の平城京遷都と共に奈良市へと移りました。ギリシャの葡萄唐草、ペルシャの蓮華文様、南インドの紙クベーラを描いた文様、中国の四神獣といったシルクロードを通じて入ってきた世界の文様が、御本尊の薬師如来の台座に描かれています。

 

長尾街道(松原市 長尾街道(松原市 本薬師寺(橿原市) 薬師寺金堂・薬師如来座像
長尾街道(松原市) 長尾街道・雄略天皇陵前(羽曳野市) 本薬師寺(橿原市) 奈良の薬師寺が元々ここにかったことはあまり知られていない 薬師寺金堂・薬師如来座像 この台座にシルクロードを経由した世界の文様が入っている

 

近畿道ものがたり取材アルバム 道でたぐる想い出の糸